2007年12月10日月曜日

好きを貫くことってのは、好きを嫌いになれないこと

「好きを貫く」よりも、もっとずっと気分良く生きる方法って記事を読んで思ったこと:
どんなにステーキが大好きな人でも、毎日、朝昼晩、ステーキだけを強制的に食べさせられ続けたら、だんだん苦痛になってくる。

本当にステーキが好きな人なら、最初の1ヶ月くらいは毎食ステーキだけでも天国かも知れないが、それが半年もつづけば、もはやステーキを見るだけでウンザリするだろう。

プログラミングが好きでプログラマーになってしまった人は、これと同じ種類の拷問にかけられる。
- 記事より

アメリカで人生哲学のセミナーをやっていて、そこで好きを貫け!という話があった。それを聞いていた男性がやって来て、こう言った。『あの好きを貫けって話はとっても面白いね。自分は子供の頃から飛行機が大好きでね。大学で飛行機の設計や物理を学んで飛行機の設計会社を始めたんだ。その後は、飛行機のレンタル会社も作ったし、飛行機の操縦訓練学校も作ったよ。気がついたら億万長者になっていて、今じゃ大好きな飛行機に乗りっぱなしの毎日さ。子供の頃からやって来たことと言えば、大好きな飛行機で遊んできただけなんだけどね。好きを貫けって言うのは、本当に良い言葉だね。』

本当に好きを貫くなら、会社を興せば良いし、逆に経営や会計、セールスやマーケティングに関しては関わりたくないけれど、プログラミングだけしていたいという人には、そういう道として人の命令に従ってプログラミングだけをして給料を貰うというサラリーマンという働き方があるんだと思う。

ステーキが大好きなら、毎日ステーキを食べ続けるなんて馬鹿なマネはしないと思う。どんな種類の牛がいて、どんな風に育てると美味しくなって、料理の方法はどんなのがあって、美味いソースはどんなものがあるか、、、など考えることは色々あるし、ステーキの良さをみんなに知って貰いたいと思えば、格安でステーキが楽しめるチェーン店レストランの構想を練るだろう。直接安く肉を提供できる農家と契約をし、肉を運ぶ段階で余計な費用がかからないようにセブンイレブンのようなドミナント方式でチェーンの拡大を図る計画を考えるかもしれない。一方で、こんな美味しいステーキがあるなんて信じられない!といったような、舌の肥えた富裕層の中でも、いまだ経験したことのないような美味しさを誇る特別な牛の味を世界中を回って発見し、それを提供する最高のレストランを作るのも良いだろうと思う。こうして出来ることは数限りなくあるので、大好きなステーキを食べ過ぎて気持ち悪くなった、という暇なんてないんじゃないの?
あと、牛の飼育のノウハウを共有することによって、酪農家も恩恵を受けるだろうし、フランチャイズなどでチェーン展開が成功すれば、そこへ参加した人々もそれなりの利益を受けることになる。会社が大成功した際には上場することも可能だし、それらの過程で雇用を作り出したことによって社会貢献にもなっているわけだ。お金が余ったなら財団を作って美味しいステーキを作り出すための研究にお金を注ぎ込んでも良いし、好きなことをやり続ける余裕もさらに増える。

ステーキが大好きな人で、ステーキ好きを貫いた結果、航空機の会社を所有する男性のように「好きを貫くのって最高!!」と言えるのは、そういう人なんじゃないかな?ステーキ大好きだからって、ずっと食べ続けて嫌いになるような生き方を選ぶのって馬鹿でしょ。

で、この元記事はそこから抜け出して、その時その時に自分がやりたいことをしなよってことを言っているんだけど、それも言い換えれば自分の好きを貫く生き方に他ならないわけで、結局のところ好きを貫いた方が良いってことになるわけである。ギャフン。

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