2011年4月17日日曜日

放射性物質汚染被害による福島県の損害コスト

放射性物質によって住めなくなるとされる福島県の損害コストを大雑把に見積もってみる。

面倒なので先に結論を書いておくと約7.5兆円。放射性物質による汚染が数ヶ月で落ち着き、農林水産業だけ補填するのであれば約2兆円。
(実際は大分線量も落ち着いてきたので、現在もこの限りではないと思う)

以下は試算に関しての計算方法:
福島県の総世帯数はこちらの福島県庁の発表により721,327世帯。うち被害にあっているのは浜通りと中通りの一部の地域になると思うが、県全体に世帯あたり2000万円を提供したとすると、そのコストは

721,327世帯 x 2000万円となり、

14兆4265億円。

簡単に1/3が原発被害で住めなくなったとすると、金額が1/3になるので4.8兆円。しかし、足りないと困るのでもっと厳密に見積もるため、被害にあった土地を以下の区域と仮定して試算することとする。

浪江町: 6,984 (世帯数、以下同)
大熊町: 3,547
富岡町: 5,646
南相馬市: 23,003
相馬市: 12,594
飯舘村: 1,740
川俣町: 5,351
伊達市: 20,714
福島市: 110,586
二本松市: 18,431
大玉村: 2,090
本宮市: 9,056
三春町: 5,615
郡山市: 126,382
楢葉町: 2,647
川内村: 965
田村市: 11,902
葛尾村: 459
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合計: 367,712


上記データは、農林水産省のこちらのページから調べた。
で、367712世帯数 x 2000万円にて7兆3542億4千万円となる。面倒なので色付けて約7.5兆円。

というわけで、今回の大震災と津波の被害により福島県が原発より被った被害を単純計算すると、7.5兆円という結果になった。もっとも、上記で上げた地域には、農産業には適さないかもしれないが、普通に生活して住むには問題のない地域もあるので、上記の金額はあくまで大きく見積もった額として考えた場合の試算。


逆にこのまま線量が下がって、前地域で住むのには問題のない状態となった場合、農業、林業、漁業の世帯(上記区域全66,565世帯)に3000万円の保障をしたとすると、その金額は

1兆9969億円、つまり約2兆円程度で足りる。


金額的に見れば『東京電力が所有する原発によって1年間に節約できる火力コストは約2.1兆円』なので、原発を無くすよりも続けた方が、福島の人々の生活は助かるのではないかとすら思う。

現在の放射線量についてのデータは以下
各地の放射線量推移

福島県内各地方 環境放射能測定値(第793報)について(PDF)等参照


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答え合わせってわけじゃないけど、こちらの記事で参照にした著名公認会計士:磯崎哲也さんのメルマガによれば、被害額見積もりは1兆1460億円程度とのことです。

2兆円とか書いた自分の見積もりorz

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